吊り戸棚の高さ、どう設定する?最適な位置やサイズ選びのコツ

キッチン背面収納として吊り戸棚を設置したイメージ図

使い勝手〇。収納力〇。家事動線や他の家具家電の邪魔になりにくい。空いているスペースを有効活用できる。地震の揺れに強い・・・。
などなど、住まいにおける万能な収納家具として注目されている「吊り戸棚」。
リフォームプランや新築設計で新たに設置を検討されている方も多いと思いますが、「どれくらいの高さに設置したらいいの?」「どれくらいの大きさのものが適正なの?」といったように、普通の収納家具と違ってわからないことだらけの方も多いはず。
特に物が多いキッチンや洗面所などにおいては、収納スペースの使い勝手が家事や日常生活の快適さに直結します。
本記事ではそんな方向けに、具体的な設置位置の目安はもちろん、吊り戸棚のサイズや活用方法に至るまで細かくご紹介!
導入を検討している方にはご参考になること間違いなしなので、ぜひチェックしてみてくださいね!



吊り戸棚の高さやサイズが重要な理由

複数のタイプの吊り戸棚を組み合わせたキッチンコーディネート

吊り戸棚を実際に設置した方や、賃貸物件で作り付けの吊り戸棚を利用している方の話でよく耳にするのが、
「設置位置が高すぎて物が取りにくい」
「大型の吊り戸棚を天井までいっぱいに設置したけど、すべてのスペースを活用できていない」
といったような話。
一般的な置き家具と違って、自分の目線よりも高い位置に収納部がくる吊り戸棚は、物の出し入れのしやすさが使い勝手を大きく左右するのです。
壁や天井に固定をしてしまう吊り戸棚はほとんどの場合、一度設置してしまったら簡単に移動したり取り外したりできないため、取り付け位置の設定やサイズの選定を事前に入念に計画することが不可欠です。
失敗しないためにも、使う人それぞれに最適な高さ(=設置位置の高さ&吊り戸棚自体の高さサイズ)をしっかり見極めましょう。



吊り戸棚の高さを決める前に考慮すべきポイント

複数のタイプの吊り戸棚を組み合わせたカフェコーディネート

吊り戸棚の高さを考える前に、以下のポイントを事前に確認しておく必要があります。
「使用者=家族の身長」
「設置場所の広さとレイアウト」
「収納したいアイテムの大きさ」
これらの基準を元に最適なプランを練ることで、使い勝手の良い空間を確保できるでしょう。

家族の身長と使用頻度

家の中の高い位置に設置する場合がほとんどの吊り戸棚においては、どの部屋に設置する場合でもまず家族の身長を考慮することから始めましょう。
スペースが空いているからといってむやみに高い位置に設置してしまうと、簡単に手が届かなくなってしまうので、使用頻度もガタ落ちで途端に無用の長物となってしまいます。
まずは家族で最も背の低い人や使用頻度の高い人を基準に、全員が十分に手の届く範囲に吊り戸棚を設置することを意識しましょう。
具体的な設置位置の目安に関しては、後の項目で解説していきます。

設置場所の広さとレイアウト

設置場所の広さ、とりわけキッチンや洗面所など家の中で最も物が多くなりがちな場所に吊り戸棚を設置する場合、その広さやレイアウトも設置位置に大きく影響します。
これらの場所はスペースが限られていることが多く、例えばキッチンであればレンジフードやカップボードなどのワークトップ、洗面所であれば洗濯機や洗面台など、基本的に他の家具家電の位置を変えることが不可能な場合がほとんどなので、家事動線や生活動線を邪魔しないように上手にレイアウトしなければなりません。
まずは吊り戸棚を設置する部屋に十分なスペースがあるか、スペースの余裕があっても取り付け位置が高すぎor低すぎないかを事前にチェックするようにしましょう。
また、窓の位置も重要で、設置場所によっては採光面や換気面で影響が出てくる可能性が高いので、吊り戸棚のサイズも含めて位置の確認を忘れずに。
加えて、適切な高さに設置できそうな場合でも、狭い場所であれば扉が開閉スペースや間口の関係で作業や動線の障害となったり、大きな物が取り出せないといったことも考えられるので、吊り戸棚の開閉スペースや収納物の大きさなども併せて事前にシミュレーションするようにしましょう。

収納するアイテムの大きさ

吊り戸棚に収納したいのはどんなアイテムか、どれくらいの大きさか、どれくらいの量か、といったことを事前に計画することも設置高さを選定する際の一つの目安となります。
後述する吊り戸棚のサイズ選定にも関わってきますが、日常的に使用するものの大きさや重量などをざっくり把握し、それに合わせて吊り戸棚を選ぶことが収納力を高めるポイントです。
例えばキッチンでは、高い位置から重たい調理器具や大型の調理家電を引っ張り出すのは一苦労なので、なるべく取りやすい低い位置に吊り戸棚を配置したり、そもそも重量物は別の所に収納するなど、設置部屋の収納スペース全体を把握して適切な位置に適切なものを収納するのが快適性を大きく向上させるコツとなるのです。
吊り戸棚の収納スペースが大きいからと無計画になんでも詰め込みすぎると、使い勝手が悪くなるどころか、収納物が落下して思わぬケガや事故につながる場合もあるのでぜひ気を付けたいところですね。



最適な吊り戸棚の高さを設定するポイント

洗面所での吊り戸棚設置イメージ

吊り戸棚を設置する際には、具体的に以下の3パターンの目安を参考に最も使い勝手が良い高さを見つけましょう。
①吊り戸棚の下端=身長-20~25cm
②吊り戸棚の下端=ワークトップの高さ+50~60cm
③吊り戸棚の上端=身長+10~20cm
使う人の身長や設置場所のレイアウトによっては、3パターン全ての条件を満たす高さに設置するのが難しい場合があるので、その場合はこの中で自分が最も使いやすい高さを選んで設定しましょう。
次で詳しく解説していきます。

①吊り戸棚の下端=身長-20~25cm

まず考えたいのが、収納するアイテムへのアクセスが容易な高さ。
ポイントは、「吊り戸棚の下端がどの位置にくるか?」という点です。
一般的に、吊り戸棚の下端が使う人の目線の高さから10~15cm下になると、吊り戸棚の奥までしっかり見渡すことができ、なおかつ無理なく手が届きやすいので物の出し入れがしやすいと言われています。
表記の計算式は、この使う人の目線の位置(おおむね身長-10cm)から-10~15cmの位置を表しています。
設置場所に限らず、まずはこの位置を基準に取り付け位置を考えていくのをおすすめします。

②吊り戸棚の下端=ワークトップの高さ+50~60cm

作業の多い場所、特にキッチンにおいてはキッチンカウンターの背面収納として、カップボード+吊り戸棚という組み合わせで効率の良い作業スペースを作るケースも多く見られます。
この場合、ワークトップの高さを基準に吊り戸棚の高さを設定してしまうという手もアリ。
理想は作業時に背伸びすることなく、なおかつ頭上が窮屈でかがむことなく手が届く高さに吊り戸棚を設置することですが、だからといって吊り戸棚の高さを限りなく下げてしまうと、作業スペースの高さが十分に取れず作業性が悪くなってしまいます。
そのため、キッチン含めワークトップ上に吊り戸棚を設置する場合は、作業面から50cm~60cm高くした位置を目安に設置しましょう。
この寸法は作業台としての作業効率を考えているだけでなく、使用頻度の高い家電などを台上に置くことも想定した高さでもあるので、電子レンジや炊飯器(蓋オープン時)、パソコンのモニターなど、想定されるごく一般的な家電であればだいたい高さ40cm~50cm程度の高さとなり、十分なスペースが確保されます。
調理家電などにおいては、排熱や蒸気の逃げ道も考慮できるといいので、おおよそ家電の高さ+10cm程度余裕をみて設置ができるとさらに〇。
作業中に最も使用頻度の高いアイテムを収める位置を考えつつ、作業のしやすさに重きを置いて設置位置を考えてみるのも一つの方法ですね。

③吊り戸棚の上端=身長+10~20cm

こちらのパターンは逆に、吊り戸棚の上端を基準に高さを設定していくパターン。
「吊り戸棚がないと困るけど、そこまで収納力はなくていいかも・・・」という方や、「あまり身長が高くないので、できる限り手の届く範囲に収納スペースを作りたい」という方は、吊り戸棚の上端位置を高くても身長+20cmの位置までに抑えるのがおすすめ。
吊り戸棚の隅々までアクセスがしやすくなり、収納スペースを持て余すことなく使い勝手のいい吊り戸棚として機能させることができます。
この場合天井との間にスペースが空くので、飾り棚としてお気に入りの雑貨を飾ったりしても素敵ですね。
また、昨今の地震の影響で、重たい収納物が天井ギリギリの高い位置にあると安全性の面で不安だと考えている方も多いはず。
吊り戸棚の上端を基準に設置をすれば、吊り戸棚本体や収納物の落下のリスクが軽減され、地震対策として安心して使用することができるので、安全性を高めるという面でもおすすめしたい位置取りです。



吊り戸棚のサイズ選びのコツ

キッチン背面ワークトップの吊り戸棚アップ画像

吊り戸棚の高さと同じくらい重要なのが、吊り戸棚のサイズです。
デザインや価格優先で選んでしまうと、大きすぎてスペースを持て余したり、小さすぎて使い勝手が悪いといった事態になりかねません。
幅・奥行・高さといった外寸法はもちろん、扉がある場合は開閉スペースの確保や、間口の確認などに関しても事前の確認が肝心です。
順を追って詳しく見ていきましょう。

標準寸法に関して

市販されている一般的な吊り戸棚や、各キッチンメーカーが展開している吊り戸棚は基本的には規格サイズと呼ばれ、ある程度サイズが決められたものがほとんどです。
奥行き(深さ)であれば約30cmから約40cm程度、高さであれば50cm~90cm程度、横幅に関しては設置場所やワークトップに合わせて複数サイズを連結して、といった形です。
しかし、前述の設置位置のパターンを基準に考えると、例えば「①吊り戸棚の下端=身長-20~25cm」と「③吊り戸棚の上端=身長+10~20cm」の2パターンを同時に満たそうとすると、おのずと吊り戸棚の高さサイズが「30cm~45cm」と限定されてきますよね?
また、深さに関しても、賃貸物件や狭小住宅などで作業スペースが限られている場合、吊り戸棚の奥行を40cmも取ってしまうと、頭上が邪魔で動線に影響が出てしまうことも考えられます。
つまり、市販されている吊り戸棚の規格サイズ=必ずしも使い勝手のいいとは限らないのです。

欲しいサイズの吊り戸棚にするには?

それでは、使い勝手のいい設置位置とサイズをすべて満たす吊り戸棚を手に入れるにはどうしたらいいのでしょうか?
選択肢としては2つ
①小さいサイズのものを複数組み合わせて取り付ける
②オーダーメイドで吊り戸棚を作る
のどちらかです。
どちらも一般的な吊り戸棚を購入して設置するよりも、手間やコストがかかりそう・・・とお悩みの方もいるかと思います。
そんな方には、arneのおすすめする「WallBox」シリーズをぜひご検討ください!
豊富なサイズを取り揃えており、スペースや用途に合わせて足りない分だけ収納をプラスし、収納空間を自在にカスタマイズできるのが最大の特長。
また、欲しいサイズやデザインがない場合は、オーダーサイズや仕様変更のご相談も可能です。
壁面が石膏ボードであれば付属のフックで簡単に取り付けることができ、強度が必要な場合はDIYで下地に向かってねじ止めすることも可能です。
さらに、壁掛けフックでの簡単取り付け&取り外しで、引っ越しや模様替えにも柔軟に対応することができます。
デザイン展開も豊富で、さまざまなテイストにマッチするベーシックなものから、高級感と高い機能性を持ち合わせたハイテク素材まで、お好みに合わせて選ぶことができます。
規格サイズで満足できない方、一度ご相談してみてはいかがでしょうか?

価格7,150円~


まとめ:吊り戸棚の高さとサイズ選びが使い勝手を左右する

リビングでの鏡付き吊り戸棚コーディネート

いかがでしたか?
住まいの収納力と使い勝手を両立するためには、吊り戸棚の高さとサイズの選択がとても大切です。
適切なサイズの吊り戸棚を最適な位置に設定することで、使用時の快適さが大きく変わります。
新築やリフォームで吊り戸棚の導入を検討している方は、この記事を参考にしながら、従来の常識や流れにとらわれることなく自由な発想で吊り戸棚を取り付けて、満足のいく空間を作ってもらえたらうれしいです!


このコラムを書いた人

arne interior WEB事業部

愛知県名古屋市の家具製造・販売メーカー、株式会社arneが運営するarne interior公式オンラインショップスタッフです。 おすすめ商品や選び方のポイント、インテリアの基礎やコーディネートなどの家具にまつわるお役立ち情報をご紹介します。

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