テレビボードの高さ選び完全ガイド|家具メーカーが教えるベストな高さとは?

テレビを見るたびに首が疲れると感じたことはありませんか?それはもしかすると、テレビボードの高さが原因かもしれません。
テレビボードの選び方は、部屋のデザインや使い勝手に大きく影響し、特に高さは視聴の快適さに直結する重要な要素なのです。
本記事ではテレビボードの高さ選びに関して、実際に作っている家具メーカー目線で注意したいポイントを徹底解説します!
本記事を参考にベストな高さのテレビボードを見極め、快適な視聴環境を作りましょう!
目次
テレビボードの高さが重要な理由

テレビボードの高さは視聴のしやすさを大きく左右します。
適切な高さに設定されていない場合、視聴中に首や肩へ負担がかかり、長時間の視聴が困難になります。
例えば、テレビが目の高さよりも高い位置にあると、上を向く姿勢が続き首に痛みが生じる場合があるのです。
逆に、テレビが低すぎる位置にあると視線を下げるため、肩や背中が緊張しやすくなり、これまた傷みが生じることも。
言い換えれば、不適切な高さで使い続けることで、本来リビングでリラックスして映画やテレビ番組を楽しむための時間が苦痛な時間に変わる可能性すらあるということ。
視聴環境を考慮して高さを設定することによって身体への負担が軽減され、よりリラックスできる空間を作り出すことができるのです。
リビング環境に合わせたテレビボードの高さ

テレビボードの高さは、リビングの環境や家具配置に大きな影響を与えます。
どのようなリビングでも最適な視聴環境を作るためには、適切なテレビボードの高さを選ぶことが重要です。
ここからは具体的に、リビングでの視聴スタイルごとに最適なテレビボードの高さについて、詳しく解説していきます。
一般的なテレビの視聴距離と高さの関係
一般的に42インチ~50インチくらいのテレビの場合、視聴距離は約1.5メートルから2.5メートル程度(概ね画面高さの3倍の距離)が適切とされています。
この距離は、人の視覚がテレビ画面全体を無理なく捉えることができ、また詳細な部分までしっかりと見えるポイントです。
この視聴距離を基本の位置とした上で、「テレビ画面の中央の高さ=視聴者の目線の高さ-10~15cm(少し目線が下がる位置)」となるようにテレビを設置することが、快適な視聴のための一つの目安になるのでチェックしておきましょう。
これは壁掛けでも据え置きでも共通の位置目安となります。
テレビのサイズやインテリアに特にこだわりのない場合は、まずはこの視聴距離と視聴高さを念頭にテレビサイズやテレビ台の高さを決めていくことをおすすめします。
これにより首への負担が減り、リラックスした姿勢で視聴することが可能になります。
ソファ使用時の最適なテレビボードの高さ
ソファでリラックスしている状態では、テレビの位置が視線の高さと一致していることで、首や目の負担を最小限に抑えながら視聴を楽しむことができます。
ソファのタイプも座面高の低いロータイプから、ダイニングチェアのように座面が高いハイバックタイプまでさまざまあり、なおかつ視聴する人の身長も男女や大人子供でバラバラなので、あくまで1つの目安としての適正高さではありますが、「男性であればソファの座面高さから55cm~65cmプラスした高さ」、「女性や子どもであればソファの座面高さから45cm~55cmプラスした高さ」にテレビの中心がくるテレビボードが理想的。
この高さは、人間工学的に座ったときの自然な目線の高さ(座位眼高)をもとに算出されたもので、前述したように少し目線が下がる位置(角度にして10度~15度)にテレビの中心がくるようになっているため、リラックスした自然な姿勢で視聴ができ、長時間のテレビ視聴でも疲れにくいと言われています。
そうすると、例えば座面高さ30cmのソファに座って見る場合、男性であれば地面からおよそ90cmの高さにテレビ画面の中心がくるのが適正となります。
ここで42インチのテレビ(一般的な高さサイズ約60cm)を見る場合、90cm-(60cm×1/2)=30cmが据え置き時のテレビ台の目安高さになるのです。
特に55インチ~60インチ前後の大型テレビがあったり、比較的長時間の視聴が多い家庭では視聴高さがより大切なポイントとなってきますので、より一層気を配りたいところですね。
床座りからの視聴を考慮した高さの選定
床座りでの視聴の場合は特に視線が著しく低くなりがちなので、適切な高さに設定しないと首や背中に負担がかかるだけでなく、映像が見づらくなるリスクもあるため注意が必要です。
一般的な和室で座布団や座椅子を使いながら視聴する環境では、「男性であれば地面から55cm~65cm」、「女性や子どもであれば地面から45cm~55cmの高さ」の位置にテレビの中央が目線の高さにくるように設定すると快適に視聴できます。
この高さも前述した「座位眼高」をもとに算出されたもので、人間工学的に自然な視聴位置なのです。
ただこのスタイルの場合、特に女性や子どもの視聴がメインとなると、テレビサイズによっては20cm以下の極めてコンパクトなテレビボードが必要となり、選択肢が非常に狭くなるため、高さ調整ができるテレビボードを検討したり、テレビボードにこだわらずに思い切ってテレビの壁掛けや直置きを検討するのも一つの手。
メインユーザーや視聴時間、またお部屋のレイアウトなどいろんな要素を考慮しながらベストな高さを選びましょう。
テレビボードの高さ別メリット・デメリット

テレビボードの高さは、視聴の快適さや部屋のインテリアに大きく影響を与える要素です。
正しい高さを選ぶことで快適にテレビが視聴できるだけでなく、魅力的なインテリア空間を作り出すことができます。
ここからは、低いテレビボードと高いテレビボードのそれぞれのメリット・デメリットについて、代表的な特徴を比較しながら詳しく解説していきます。
低いテレビボードのメリットとデメリット
低いテレビボードには、視覚的な広がりと安定感をもたらすメリットがあります。
テレビが低めの位置にあることで部屋全体が広く感じられ、結果的にリビングダイニングや一人暮らしのワンルームといった小さな部屋でも開放感を得ることができます。
例えば、リビングの中央に大きな窓がある場合でも低いテレビボードにすることで窓の景観を損なわず、部屋全体の見通しが良くなります。
一方で、低いテレビボードではソファーや椅子に座った際の見やすさが低減するデメリットも存在します。
表示面が低い位置にあるため、特に高いソファーや椅子に座る場合は視線を下に向けなければならず、自然な姿勢を保ちにくくなります。
例えばダイニングチェアの高さのソファーに座ると、テレビを見るのに首を下向きにする必要があるため、長時間の視聴が疲れやすくなる可能性があります。
このように、低いテレビボードは視聴者の姿勢に影響し、高い椅子やソファーを使用すると快適でない場合があるのです。
高いテレビボードのメリットとデメリット
高いテレビボードには、視線を自然に保つことができるというメリットがあります。
視線が水平もしくはやや下に向くため、長時間視聴しても首や肩に負担がかかりにくいためです。
また機能面でも高さが出る分低いテレビボードに比べて収納力に優れ、テレビ周りのゴチャゴチャを収納するスペースを多く設けられることも利点です。
ブルーレイプレイヤーやゲーム機、その他のAV機器や配線類などを収納できるため、リビングがスッキリと整頓されます。
一方で、高いテレビボードには圧迫感を与えるというデメリットも存在します。
テレビの位置が高くなるため、部屋の中で存在感が強くなり、特に狭いリビングでは圧迫感が増す可能性があります。
また、子どもがいる家庭では高い位置にあると触れないため安全面ではメリットですが、子どもが視聴する際に不便になることもあります。
テレビボードの高さ選びに迷ったら

テレビボードの高さに迷ったら、まずは以下の項目について情報整理することをおすすめします。
- テレビは壁掛けするのか?据え置きするのか?
- どんな視聴スタイルで見るのか?
- ソファーや椅子の高さは?
- 誰がメインで見るのか?
- どんな姿勢で見るのか?
- 部屋の広さは?
- どんな時に見るのか?
- 収納はどれくらい必要か?
- 動線は確保できるか?
- どんな見た目が好みか?・・・
用途や目的、視聴頻度、メインの視聴者や視聴スタイルなど、快適にテレビを見るためには多くの条件を考慮する必要があるのです。
言い換えると、このように多岐にわたる情報を整理していくとおのずと自分に最適なテレビボードの高さがわかるいうことでもあるので、快適にテレビを見るためには妥協せず一度頭の中を整理してみましょう。
また一方で、ライフスタイルの変化などでその時々で最適なテレビボードの高さも変わってしまうというリスクも考えられます。
その場合は、高さ調整が可能なテレビ台を導入するのが便利です。
タイプもさまざまで設置位置が調整できるタイプから、既存のテレビボードを活用してかさ増しするタイプ、壁面の好きな位置に取り付けて高さをカスタマイズできるタイプまで多岐にわたります。
これらの商品であれば、ライフスタイルやインテリアの趣味嗜好の変化に柔軟に対応できるため、安心して長く使うことができますね。
テレビボードの高さ選びで失敗しないためのまとめ

この記事では、家具メーカー目線でテレビボードの高さ選びのポイントについてお届けしました。
テレビボードの高さ選びで失敗しないためには、視聴環境に合わせた視聴距離や、目線の位置を考慮することが最大のコツ。
部屋とテレビのサイズをしっかり把握した上で、前述した情報を加味しつつ最適なバランスを探していきましょう。
また、サイズだけでなくインテリアとしてもこだわるのであれば、一緒にセットするラックやキャビネット、テーブルといった収納家具とのバランスを見極めつつ、理想のリビングとなるようなコーディネートにチャレンジしてみてください。
最近では、さまざまな雑誌やインテリアショップのブログ、SNSなどのインテリア特集を通じて、実例を交えたおすすめの商品紹介やコーディネート紹介が数多く発信されているので、ぜひ参考にしてみてください。
きっとご自宅の雰囲気に相性ピッタリの、おしゃれで素敵なテレビ台が見つかることでしょう。
このコラムを書いた人

arne interior WEB事業部
愛知県名古屋市の家具製造・販売メーカー、株式会社arneが運営するarne interior公式オンラインショップスタッフです。
おすすめ商品や選び方のポイント、インテリアの基礎やコーディネートなどの家具にまつわるお役立ち情報をご紹介します。