家具の臭い対策完全ガイド|家具メーカーが教える対策アレコレ
新品の家具を購入した際や、家具を長年使っていると意外に気になるのが、その「臭い」。
この記事では、臭いの原因となる化学物質の発生やカビが生じる原因を解説し、その原因に対して効果的な消臭対策を紹介します。
家具の素材別に具体的な臭い除去方法や予防策も併せてご紹介するので、ぜひ参考にしつつ快適な室内環境を目指しましょう!
家具から発生する臭いの原因
家具が臭い原因は大きく次の3つ。
①新しい家具の化学薬品臭
②湿気やカビの臭い
③ペットやタバコによる臭い
順番に詳しく解説していきます。
新しい家具の化学薬品臭
新品の家具を開封したときに、ツンとした独特のにおいを嗅いだことがある方も多いのではないでしょうか?
このにおいは、家具に使われた接着剤や塗料に含まれる、ホルムアルデヒドや有機溶剤といった揮発性有機化合物(VOC)によるもので、家具がくさい!と言われる大きな要因の一つなのです。
家具が外気に触れるとVOCはどんどん空気中に放散されていくので、通常は時間の経過とともににおいも減少していきます。
しかし、安い家具や質の悪い家具だと、VOCが多量に含まれているためにおいがなかなか取れづらく、チェストやキャビネットといった収納家具では、普段外気に触れづらい扉や引き出しの内部ににおいがこもってしまって、家具がくさい!となってしまうわけです。
くさいだけならまだしも、この化学物質は人体に悪影響を及ぼす可能性もあるため、新品の家具を購入した際は、必ず十分に換気をしてVOCをできる限り外に排出してください。
湿気やカビの臭い
お部屋の湿気や、湿気によって発生したカビが、家具の悪臭を引き起こす場合もあります。
特に木製のインテリア家具は、カビが一度付着するとあっという間に拡がってしまうため、定期的なカビ対策が必須。
こまめな換気に加えて、梅雨時期には除湿機を併用したり、カビの原因となるホコリや汚れを除去するために、こまめに清掃を行いましょう。
家具のカビ対策については、下記の記事で具体的な対策についてご紹介していますので、カビの臭いにお困りの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
また、アンティーク家具やヴィンテージ家具といった、年季の入った中古家具を購入する際も要注意。
保管状況が悪いものだと、見えない場所にカビが生えている場合があるので、現物確認ができる場合は、臭いのチェックをお忘れなく。
カビは家具そのものを損傷させるだけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、一度カビが生えた家具を見つけた際には迅速な対処が必要となります。
この記事では、一度カビが生えた家具の効果的な対処法と防止策を紹介し、カビ取りからカビ予防に至るまで、家具を長持ちさせるための重要なポイントを紹介します。
プロも実践するようなカビ対策法も併せてご紹介していくので、健康で快適なお部屋環境作りのためにも、ぜひ最後までお見逃しなく!
ペットやタバコによる臭い
家具のニオイは、お部屋の使用環境が原因でさらに悪化することも。
特に気を付けたいのが、ペットを飼っているご家庭や、お部屋の中でタバコを吸っているご家庭。
ペット体臭や尿のニオイ、またタバコの煙は通常の生活で付着する生活臭の中でも群を抜いて強く、また布製や木製の家具は素材的にも特にそういったニオイを吸収しやすいため、これを放置すると家具の悪臭の原因となるのです。
そもそもお気に入りの家具にそういったニオイを付けたくない!といった場合は、ペットや喫煙者と居住スペースを分ける必要がありますが、あまり現実的ではないので、次で具体的にご紹介するこまめなニオイ対策(換気やニオイ対策グッズの活用など)が不可欠になります。
家具の臭いを取り除く方法
家具に発生する臭いの除去にはさまざまな方法があります。
ここからご紹介する方法は、どれも特殊なグッズや手法を使ったものではなく、ご家庭にあるようなもので簡単に対策できることばかり。
家具の臭いにお困りの方は、まずこちらでご紹介する対策からお試しください!
炭の利用
まずはとにかく手間をかけずに脱臭したい!という方にうってつけなのが、炭を使った脱臭方法。
炭は自然の除湿剤かつ消臭剤として知られていて、多孔質の構造が湿気や臭いの元となる分子をしっかり吸着するので、脱臭+カビ予防としても◎。
収納家具の内部や、お部屋の臭いの気になる部分に置いておくだけでいいので全く手間がかからず、定期的に日光に当てることで、炭の消臭機能を再生させることができ、長期間に渡ってローコストで使用できるのもうれしいポイント。
家具の臭いが気になったら、まずは試してほしい筆頭アイテムといえるでしょう。
重曹の活用
重曹も、比較的簡単かつ安全に家具の天然脱臭材として試すことができるアイテムです。
重曹には悪臭成分を吸着する性質があり、化学薬品を使用しないため安全で、比較的ローコストかつ手軽に使用することができます。
使用方法も簡単で、適量の重曹を直接家具の表面や引き出し内部に撒き、数時間放置した後、布で拭き取るか掃除機で吸い取ります。
また、水100mlに対し重曹粉末を小さじ1杯入れて混ぜ合わせた重曹水を、消臭スプレーとして使用するのもおすすめ。
タバコやペットの臭いが気になる布製の家具にはバツグンに効果的ですよ。
ただし、自然素材とはいえど使用する家具の素材によっては重曹を使わない方がいいケースもあるので、心配な場合は事前に目立たない場所で試すようにしましょう。
酢と水のスプレー
ご家庭によくあるものでカンタンに脱臭できるアイテムとしておすすめしたいのが、酢と水を混ぜたスプレーを吹きかける方法があります。
酢には消臭と抗菌作用があり、この性質を利用した水溶液を作ります。
具体的には、1対1の割合で酢と水を混ぜたスプレーボトルを用意し、家具の表面に軽く吹きかけるだけ。
その後、柔らかい布で軽く拭き取るor自然乾燥させると、悪臭が軽減されます。
重曹に比べて抗菌性があるので、特にカビ臭の気になる木製家具や布製家具の消臭にもってこい。
こちらも材質によっては変色する恐れがあるので、目立たない場所でのテストはお忘れなく。
市販の脱臭剤や消臭剤の使用
もっと強力かつすぐにでも悪臭を断ち切りたい!という方は、市販の脱臭剤や消臭剤に頼るのも一つの手。
市販の消臭脱臭剤は日々進化しており、臭いの種類やお部屋の場所、素材に応じてタイプ別に最適なものがラインナップされているので、気になる臭いやシーンに合わせた使い分けに〇。
即効性のあるタイプも多いので、急な来客があってもすぐに対応できるものもあるので、忙しい方にもぴったり。
消臭だけでなく、芳香剤として活用している方も多く、気分に応じて変えられるルームフレグランスとしても有用ですね。
消臭するだけでなく、いい匂いを楽しみたい方はこちらの選択肢がおすすめですね。
素材別の臭い取りの対策例
家具の素材によってニオイの発生原因が異なるため、それぞれに最適な対策があります。
ここからは、一般的に家具でよく使われる素材別(木製家具、レザー家具、布張り家具)のそれぞれに対して効果的な臭い取りの方法を紹介します。
木製家具のケアと対策
木製家具は前述の通り、合板や塗料に含まれる化学物質が原因で、独特の匂いを放つことがあります。
まずは換気をこまめに行って、家具自体や室内の湿度を下げることを意識し、カビが発生しづらい環境作りを心がけましょう。
収納家具の場合は、できれば湿度が低く天気のいい日に中身をすべて出して、開けっ放しで換気できるとなおよし。
日ごろのお手入れは、臭いが気になる場合は前述の重曹を使ったお手入れで、臭い+汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤での水拭き掃除をプラスしましょう。
キレイに掃除を行った後は、しっかり乾燥させてカビが発生しないように気を付けましょう。
収納家具の場合は、前述したように炭を置いておくとさらに〇。
こまめな清掃や換気など、お部屋の環境を整えることが木製家具の臭い予防に繋がるので、日ごろから意識したいポイントですね。
布張り家具のケアと対策
布張りの家具は、素材によっては細かな繊維の間に食べかすや飲みこぼし、ホコリや皮脂といった臭いの原因物質が溜まりやすいため、こちらも定期的な掃除や専門のクリーニングが推奨されます。
具体的な対策として、まずは頻繁に掃除機をかけることが効果的。
掃除機で布の表面に付着したホコリや細かな汚れを取り除くだけでも、臭いの発生を防ぐことができます。
掃除機をかけたうえで、前述した重曹や酢水スプレー、専用の消臭剤などを駆使して消臭しましょう。
布製の家具は臭いを吸い込みやすい反面、比較的消臭もしやすいアイテムでもあるので、臭くなってしまっても落ち込まずにできることから対策していきましょう。
レザー家具のケアと対策
レザー製品は質感と耐久性で人気がありますが、天然素材のため使用していくことで人間の汗や皮脂、お部屋の湿気や生活臭を吸って、他の材質とはまた違った臭いを放つことがあります。
非常にデリケートな素材になるので、基本的にはレザー専用のクリーナーやコンディショナーによる定期的なお手入れが必須。
専用品を使うことで、臭いの予防とともにレザーの風合いを保つことができます。
ただし、臭いが気になるからとあまり神経質にケアをしすぎると、かえって革に負担がかかって劣化を進めてしまう恐れがあるので、お手入れはほどほどに。
お手入れの自信がない方は、素直にクリーニングのプロに頼んだ方がより長く使える確率が高いので、長期的に見ればコスト削減に繋がります。
また、そもそもレザー自体が独特の臭いを放つケースが多々あるため、例えば革製のソファが欲しいけど、臭いが気になる・・・という方は、人工素材である合皮のソファを検討してみてもいいかもしれないですね。
まとめと今後の対策
いかがでしたか?
家具からの不快な匂いは、生活の質を下げるだけでなく、場合によっては健康に影響が出る恐れもあるのです。
ご紹介してきた臭い対策は、いずれも難しい知識や特殊なアイテムを使った手法ではないので、どのご家庭でも試しやすいオススメアイデアばかりです。
家具の臭いやお部屋の臭いにお悩みの方は、この記事で紹介した臭い対策方法を参考に、ぜひお部屋を快適な空間に変えてみてくださいね。
このコラムを書いた人
arne interior WEB事業部
愛知県名古屋市の家具製造・販売メーカー、株式会社arneが運営するarne interior公式オンラインショップスタッフです。
おすすめ商品や選び方のポイント、インテリアの基礎やコーディネートなどの家具にまつわるお役立ち情報をご紹介します。