“寝る”も“くつろぐ”もこの部屋で!リビング兼寝室の作り方ガイド

リビング兼寝室を導入することで、ワンルームや1LDKなど部屋数が限られる場合でも、機能的かつ開放感のある暮らし方が実現しやすくなります。ソファベッドや収納付きベッドなど、多用途に使える家具も登場しており、さらに住まいの自由度が高まっています。
一方で、プライバシーの確保や来客時の対応など、デメリットも検討しておく必要があります。この記事では、メリットやデメリット、具体的な配置のポイントなどを幅広く紹介していきます。家具選びや配置の工夫、あるいは仕切りの使い方次第で快適度は大きく変わりますので、ぜひこの記事のポイントを参考に、自分のライフスタイルに合ったアイデアを見つけてみてください。
目次
リビングにベッドを置くメリット

リビングを寝室として兼用することで得られる利点は多く、より柔軟な生活空間を作り出せます。ここからは、リビングにベッドを配置するメリットをいくつかご紹介していきます。以下の項目を参考に、機能性とおしゃれさを兼ね備えた新しいスタイルで暮らしの質を高めましょう。
睡眠スペースと生活空間をひとつにまとめられる
リビングにベッドを配置することで、寝室を別の部屋に設ける必要がなくなります。そのため、空間を効率的に活用できるようになり、1LDKやワンルームなどのコンパクトな間取りでも暮らしやすくなります。また、ソファとベッドを兼ねるなど、一つの部屋でくつろぐことと睡眠を取ることが可能となるため、家具を最低限に減らせて収納スペースに余裕が生まれ、特に在宅ワークや家事の合間に小休憩をとる場合、ベッドが隣接していることで身体だけでなく心もすばやく切り替えたり、休息したりしやすくなるのもメリットです。
移動が最小限で済むので時短につながる
ベッドスペースとリビング空間を一緒にすることで、家具の配置もスムーズになるので面倒な行き来する手間が減り、家の中の動線がスムーズになります。寝起きですぐに朝の準備ができたり、ソファ感覚で少し横になったりと、効率よく時間を使えるメリットがあります。仕事や家事などの合間の休息もしやすく、日々の暮らしにゆとりが生まれるでしょう。
省エネや光熱費の節約につながる
リビングと寝室を分けないことで、空調設備の設定を一部屋分だけ管理することで、省エネや光熱費削減にも繋がります。特に寒い地域では、寝室とリビングが一緒にあることで暖房効率が高まり、快適な空間になります。
ライフスタイルの変化に柔軟に対応しやすい
この間取りは、家具配置を柔軟に変更しやすく、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて空間づくりが可能です。例えば、子どもの成長や在宅ワークの開始など、ライフステージが変わると必要になる部屋の用途も変化します。リビング兼寝室という形であれば、柔軟に空間を再編しやすく、大掛かりな模様替えやリフォームをしなくても調整が可能になるので、ファミリー層から一人暮らしまで幅広い世帯のメリットになるでしょう。
他の部屋を別の用途に活用できる
2つの空間を兼用にすることで、通常なら寝室として使うはずの部屋をワークスペースや趣味部屋、子ども部屋などに回せるのも大きな魅力です。特に広い間取りの2LDKや3LDK以上ならさまざまな用途に活用可能で、家族全体の暮らしの質も向上します。家族が増えたり新たな趣味を始めたりしても、部屋のレイアウトを増設する必要なく、リビングと寝室を統合するだけで空間がまるごと活用できるでしょう。
リビングにベッドを置くデメリット
リビングにベッドを置く場合、一見、効率的な使い方に思えるかもしれませんが、実は生活の質に影響を与えるさまざまなデメリットも存在します。ここでは、リビングにベッドを置くことで生じる問題点について紹介していきます。
来客時に生活感が目立ちやすい
リビングにベッドがあると、来客時にベッドフレームや布団など寝具が目立ち、生活感を見せる可能性があります。また、リラックス空間と睡眠空間が同じになり、メリハリが付きにくく、安眠が阻害されることもあります。ゾーニングを明確にしたり、パーテーションを設けるとある程度解消できますが、常日頃から整理整頓やベッドメイキングの習慣が必要です。
空間に圧迫感が出る可能性がある
リビングにベッドを置く場合、部屋の広さによってはベッドが大きなスペースを占有し、圧迫感を生む可能性もあります。特にベッドサイズが合っていない場合、リビングのくつろぎ空間が狭く感じられるかもしれません。部屋のレイアウトを見直しても、プライバシーを完全に確保することが難しいケースもあるため、ロータイプのベッドやシングルベッドなどの高さを抑えられるデザインを選ぶことで、視界をすっきり保ちやすくなるでしょう。広く見せるには白系や淡色系など、部屋のトーンに馴染むカラーリングもポイントになります。
プライバシーが確保しづらい場合も
同居する家族やパートナーがいる環境では、寝室が分かれていないため完全なプライバシーは保ちにくくなります。パーテーションやカーテン、さらに家具配置によるゾーニングなどを組み合わせて上手に仕切る工夫が必要です。来客の多い家庭ほど、その点をしっかり検討してレイアウトを考えると良いでしょう。
リビング配置するベッドの選び方
リビングにベッドを配置する場合、限られた空間を有効活用しながらも快適さを保つために、慎重な選び方が求められます。まず重要なのは、スペースに合ったベッドサイズを見極めることです。広すぎると圧迫感が出てしまい、逆に小さすぎると寝心地に影響が出るため、バランスの取れたサイズ選びが鍵となります。また、耐荷重や素材にも注目し、安全性や使用感にも配慮をしましょう。さらに、色味は落ち着いたベージュやグレーなどのシンプルなデザインを選ぶことで、リビングのインテリアに自然に馴染み、長く使い続けやすくなります。シーツやカバー類などのメンテナンスのしやすさも長期的な使い心地を左右するポイントとなるでしょう。
ライフスタイル別:ベッドの活用事例
ベッドは単なる寝るための家具ではなく、ライフスタイルによってその使い方は大きく変わります。ワンルームで生活する一人暮らしの方にとってはソファ代わりにもなり、ファミリー世帯では子どもとのふれあいの場になったり、来客用としても活用されたりします。ライフスタイルに合ったベッド選びと使い方を工夫すれば、空間をより快適に、有効的に使うことが可能です。ここでは、さまざまな暮らし方に合わせたベッドの活用事例をご紹介します。

一人暮らし:限られたスペースの有効活用
一人暮らしの限られた空間を快適に使うには、家具選びと配置が鍵になります。収納付きベッドや折り畳み式ソファを導入すると、昼はリビング、夜は寝室として柔軟な活用が可能になります。壁面収納や間仕切りカーテンを使うのも効果的です。インテリアを工夫し、生活リズムに合わせて柔軟に使い分けられる空間を作りましょう。

二人暮らし:互いの生活リズムに合わせたレイアウト
二人暮らしでは、それぞれの生活リズムに配慮した空間作りが重要です。例えば、ベッドとくつろぎスペースの間に家具やパーテーションを置いて仕切ることで、就寝時間の違いによるストレスを軽減できます。また、照明は個々に調整可能な間接照明を取り入れると、相手が眠っているときでも起こさずに済みます。それぞれが快適に過ごせるよう、適度な距離感を保ったレイアウトを意識しましょう。

ファミリー:子どもの遊び場を確保しやすい
寝室をリビングに統合すると、子どもが伸び伸びと遊ぶ場所や勉強スペースを広々と確保しやすくなります。ベッドを隅に寄せて空きスペースをつくれば、部屋の中央を子どもの遊び場としても目が届く範囲で安全かつ快適に使うことができるだけでなく、家族が一部屋に集まりやすくコミュニケーションの機会も自然と増やす効果も期待できます。

来客が多い方:可変型レイアウトの工夫
友人がよく宿泊する場合や親戚の集まりが多い場合、可変型の家具やレイアウトを工夫することが大切です。例えば、折りたたみタイプのソファベッドを使用すれば、普段はすっきりとしたソファ、来客時には快適なベッドに変わりします。また、軽量な押し入れ式収納やキャスター付き家具を活用すると、素早く空間を広げ、人数に応じて柔軟に対応できる便利なレイアウトになります。

ホテルライク:ラグジュアリーな空間を演出
リビング兼寝室をホテルライクに仕上げるためには、質の良い寝具と落ち着いた照明を取り入れましょう。シックなカラーのカーテンやクッションを選び、統一感のあるインテリアで優雅で落ち着いた印象に。照明には調光機能のものを選び、間接照明やフロアランプを配置すれば、ホテルのスイートルームのような洗練された空間が完成します。毎日のくつろぎ時間が特別なものになるでしょう。
リビングで快適に過ごすためのベッド配置ポイント
リビング兼寝室を実現するためには、配置による部屋の圧迫感を最小限に抑えつつ快適さを確保する工夫が求められます。ベッドがあるとどうしてもスペースの大半を占めがちですが、家具の高さや位置を工夫すれば快適に過ごせるレイアウトを作り出せます。

他の家具と高さを合わせる
視線の高さを合わせることで、部屋全体に落ち着きと統一感が生まれます。ベッド・ソファ・テーブルなどの高さを同じにすると、視覚的にも部屋がすっきりまとまり、圧迫感が軽減されます。特に寝具とソファを近い高さに合わせることで、日中はくつろぎやすく夜間は寝心地も良くなります。高さの差が少ないほど空間に統一感が生まれ、居住スペースとしての快適性が格段にアップするのです。

エアコンや窓の風が直に当たる場所は避ける
リビング兼寝室を作る際、寝ている間に体が冷えたり乾燥したりして体調不良の原因となることがあります。寝る場所を確保するときは、エアコンの吹出口や窓際を避け、風がほどよく行き渡る位置を選びましょう。

パーテーションやカーテンで必要に応じて仕切る
リビング兼寝室という限られた空間では、パーテーションやカーテンを使って広さや状況に合わせて仕切りを設けるのがおすすめです。日中は開放的に広く使え、来客時や仕事中には仕切りを設けることでプライバシーもしっかり確保。折りたたみ式の衝立やカーテンレールを使えば簡単にレイアウト変更も可能で、快適さと機能性を両立することができます。
実例:リビングにベッドを上手に置くレイアウト実例
リビングにベッドを置くとなると、狭く見えてしまったり、生活感が出すぎてしまわないかなど、レイアウトに悩む方も多いのではないでしょうか。しかし、ちょっとした工夫次第で、快適さとデザイン性を両立させることは可能です。ここからは、限られたスペースを有効活用しながらもおしゃれに仕上げた、リビングとベッドのレイアウト実例をご紹介します。実際の配置アイデアを参考に、自分らしい空間づくりのヒントを見つけてみてください。
ソファとベッドを横並びにして一体感を出す

ソファとベッドを同じ向きで並べることで、視覚的にも機能的にもまとまりやすいレイアウトになります。ソファとベッドを横方向に揃えるとレイアウトのシンプルさが増し、部屋全体に広がりを感じやすくなります。背の高さやカラーリングを合わせれば、一続きの家具のように見せることも可能です。このレイアウトでは、一人がソファでくつろぎ、もう一人がベッドで横になるなど、家族やカップル同士でも同時にリラックスしやすい点が魅力です。ラグや小さなテーブルで間をつなげば、統一感のある空間が出来上がります。
通路スペースを確保して動線を維持する
リビング兼寝室を快適に使うには、リビング内の移動を阻害しないように配置する工夫が重要です。家具の間に最低でも人一人が通れる幅を確保し、テレビやドア、テーブルなどへのアクセスをスムーズに保つと日常生活がより快適になります。
ソファと向かい合わせにベッドを配置して団らんを楽しむ

ソファとベッドを向かい合わせに置き、テーブルを中心に置くと、会話が弾む居心地の良い空間が生まれます。食事やちょっとしたお茶会、来客との歓談なども自然と盛り上がるので、カフェのようなリラックスした雰囲気を望む方に向いています。お互いの目線を合わせやすいため、家族やカップルのコミュニケーションをより円滑にしたい場合にも有効なレイアウトと言えます。部屋の中央にテーブルを配置する場合は、動きやすさとのバランスを考えながら、余裕をもったスペースを確保しましょう。
ベッドを壁付けにして背もたれ代わりに
ベッドを壁付けにして背面を壁に持っていけば、日中は背もたれ代わりに壁にクッションや大きな枕を配置すれば、リラックスしながら本を読んだり、映画を楽しんだりすることができます。夜になるとすぐに横になれるので、長時間部屋に滞在する方のライフスタイルにもぴったりです。
ベッドをソファの背面に配置して空間を分ける

リビング兼寝室のポイントは、ベッドとソファの配置にあります。間仕切りを使わなくても、ベッドをソファの背面に置くことで自然な仕切りが生まれ、生活空間がはっきりと分かれます。ソファが目隠しとなってベッドの存在感を軽減し、緩やかにプライベート感を保ちつつ開放感を損なわないレイアウトです。レイアウトに迷ったら、まずソファを配置してその背面にベッドを置くスタイルをぜひ試してみてください。
カーペットやラグを活用してエリア分けする
ソファ側とベッド側で異なる色や素材のラグを用いると、それぞれのゾーンをはっきりと分けながらもオシャレなイメージを保てます。リビングエリアにはソファやテーブル周辺に大きめのラグを敷き、寝室スペースには落ち着いたデザインや触り心地の良いラグを選んで境界を視覚的に作りましょう。色や素材を変えるだけでも、空間が区別され、くつろぎと睡眠のエリアそれぞれの雰囲気が際立ちます。
デッドスペースを有効活用した配置例

窓際や部屋の隅など、死角になりがちなスペースをベッドの配置に上手く使うことで、快適さと広さを両立できます。部屋の構造上できてしまうデッドスペースは、意外と数多く存在します。こうした場所にベッドをはめ込むように設置すれば、リビングのメイン空間を広く確保しながら眠りの場所を得ることができます。窓枠の下のスペースやエアコンのない角など、風の影響を受けにくい側を活用するとより快適に過ごせるでしょう。さらに背の低い収納棚や壁面収納を利用すれば、圧迫感を減らしながら視覚的な仕切り効果を出せます。デッドスペースの活用は、リノベーションなど大掛かりな変更をせずとも住空間の質をぐっと向上させる良い方法だと言えるでしょう。
ゾーニングを徹底してメリハリをつける
限られた空間を効率よく使うためには、ゾーニングが重要です。リビングと寝室を兼用する場合、寝るスペースとくつろぐスペースを家具やラグを使って明確に区切り、空間にメリハリを持たせましょう。また、間仕切りになるアイテムを利用して視覚的に仕切りを設けることで、それぞれのエリアでの活動に集中しやすくなり、快適さが向上します。
まとめ:境界をなくして、暮らしを自由に。
リビング兼寝室は、本来特定の用途で使う部屋を効率よく使いながら、暮らしをより豊かにするアイデアです。メリット・デメリットを理解したうえで、自分に合うスタイルを見つけてみましょう。この記事では、リビングを寝室として兼用することのメリット・デメリットや、ベッドの選び方、配置のポイントについて紹介してきました。家族構成やライフスタイルによって理想的なレイアウトは異なるため、まずは自分がどのような空間にしたいかを明確に決めることが大切です。
ベッドを置く場所や仕切る方法ひとつで、部屋の雰囲気や使い勝手は大きく変わります。小さな工夫を積み重ねるだけでも、収納力の向上や空間の有効活用など、暮らしの質を着実に高めることができます。境界を取り払った自由な住空間は、家族やゲストとのコミュニケーションが増え、気軽にリラックスできる場にもなります。ぜひ本記事を参考に、自分にぴったりのスタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。
【リビング】【寝室】に関するおすすめ記事はこちら

このコラムを書いた人

arne interior WEB事業部
愛知県名古屋市の家具製造・販売メーカー、株式会社arneが運営するarne interior公式オンラインショップスタッフです。
おすすめ商品や選び方のポイント、インテリアの基礎やコーディネートなどの家具にまつわるお役立ち情報をご紹介します。