マンション収納が足りない!? 原因と考え方、対策を徹底解説

マンションは戸建てと比べて収納スペースが限られる場合が少なくありません。部屋が狭く見えたり、物が溢れてしまうと、日々の生活にもストレスを感じてしまいます。本記事では、マンション収納不足の原因から部屋ごとの収納テクニック、さらに効率的に収納力を高めるためのポイントまでをトータルに解説します。
収納スペースを最大限活用するためには、物の適正量を見極め、デッドスペースを余すことなく利用していく視点が大切です。また、家族みんなで協力して片づけ習慣を身につけることが、快適な空間を長く維持するカギとなります。
- マンションの収納にストレスを感じている方
- 限られたスペースを最大限に活用したい一人暮らし・二人暮らしの方
- 「捨てられない」「物が増えがち」と悩んでいる方
- 家族が増えたり、ライフスタイルが変わって収納を見直したい方
目次
マンション収納不足の主な原因

まずは収納不足が起きる主な要因を知ることから始めましょう。主に3つの原因が考えられます。
マンション住まいで収納スペースが足りないと感じる背景には、最初の段階で十分な収納計画が立てられていないことが多いです。加えて、家族の生活パターンが変化することで、想定外に物が増えていくケースも見られます。備え付けの収納だけでは対応しきれないため、デッドスペースを活用できるかどうかが大きなポイントになるでしょう。さらに、物を減らす努力をしないまま新しいアイテムを増やし続けると、限られた空間に物が溢れストレスを引き起こします。
1.収納スペースがもともと少ない
マンション設計上の限られた面積の中で、収納スペースが最小限に抑えられている場合があります。住み始めてから気づく人も多く、クローゼットやシューズボックスが小さいだけでなく、押し入れのような大きな収納場所が無いことも原因の一つです。部屋数はある程度確保されつつも、壁面収納やパントリーが十分に備わっていないケースも多く見受けられます。こうした状況を補うには、購入前や引っ越し前から収納計画を練ることが大切ですが、すでに入居している方でもデッドスペースの積極的な活用を行うことで不足を補うことができます。
2.モノを捨てられず増え続けている
物を保管しすぎてしまう大きな要因として、定期的に不要な道具や服を処分できずに溜め込む習慣が挙げられます。思い出や「また使うかもしれない」という心理が働くと、どうしても断捨離に踏み切れない場合が多いものです。結果として収納スペースが常に満杯となり、新しい収納を用意してもすぐに埋まってしまいます。こうした状況を打開するには、半年から1年に一度の定期的な整理や、使用頻度を基準に所有量を見直すルールづくりが有効です。
3.ライフスタイルや家族構成の変化
家族の成長やライフステージの変化などによって、持ち物の内容や量は大きく変わります。子どもが増えればベビー用品や学用品が必要になり、趣味が増えれば関連グッズが増えていくでしょう。こうした変化に合わせて収納を見直さないと、あっという間に使い勝手が悪くなってしまいます。定期的に荷物を再分類したり、不要になったアイテムを手放すことで、常に現状に合ったスペースを確保できます。
まずはご自身の収納問題が、どのタイプに当てはまるのか考えてみるのが、解決への第一歩。
収納不足を解消するための基本アプローチ
マンションの限られた空間でも工夫次第で十分な収納が可能です。ここでは解消の基本となる3つのアプローチを紹介します。
まずは自分や家族の持ち物を正しく把握し、日常的に整理することがスタート地点となります。そのうえで、適切な分類と出し入れしやすい収納方法を導入すれば、片づけが日々の負担になりにくくなるでしょう。また、意外と見落とされがちなデッドスペースを徹底的に探し出すことで、限られた空間を最大限活用できるようになります。こうした基本的なアプローチを踏まえたうえで、必要に応じてオーダー家具やリフォームも検討すれば、より効果的に収納不足を解決できます。
適正量の把握と定期的な整理の重要性
どれだけ収納を工夫しても、無理に多くの物を抱え込んでいれば、すぐに収納不足は再発します。まずは持ち物の適正量を見極め、不要な物は思い切って処分する習慣をつけましょう。定期的にクローゼットや戸棚を点検し、使っていない物をすぐに手放すことで収納スペースを確保できます。こうした整理は年に数回まとめて行うよりも、生活のなかでこまめに行ったほうが手間もストレスも少なく済むでしょう。
収納方法の見直しと使いやすい分類
収納スペースの見直しでは、物の使用頻度やカテゴリごとにまとめる工夫が大切です。例えば、よく使う物は手が届きやすい中段や引き出し、それほど使わない物は上段や奥へなど、整理すると毎日の出し入れがスムーズに行えます。あらかじめカテゴリーやゾーンを決めておくと家族も同じルールで片づけやすく、結果として散らかりにくい空間が完成します。
デッドスペース活用の考え方
収納不足になりがちなマンションでは、家具の配置や部屋の隅などにあるちょっとした隙間の活用が効果的です。例えば洗濯機横のわずかなスペースにスリムシェルフを置く、壁面に突っ張り棚を取り付けるなど、小さいながらも意外と収納を増やせる場所は多く存在します。こうしたデッドスペースは生活動線を邪魔しない範囲で活用することが大切です。使いやすい場所に必要な収納を配置できると、暮らし全体がスムーズに回りやすくなるでしょう。

デッドスペースとは意図せず出来てしまった利用していない空間のことです。
リビング収納として家具を置いたりクローゼットにカラーボックスを置いてみたら微妙な空間が出来てしまったり、洗濯機やキッチンの冷蔵庫の横・ゴミ箱の上などにスペースがあるけれど、丁度良い幅や奥行の棚がないなど…ふとしたときにデッドスペースが生まれてしまうことがあります。
また、賃貸マンションなどによくある間取りによっては、元からある柱や梁によってぴったり家具を配置できずに余分なスペースが出来てしまったりもします。
今回は、そんな困ったデッドスペースを有効活用しておしゃれな部屋を作るアイデアをご紹介していきます。
部屋別!マンション収納アイデア・工夫

リビングやキッチンなど、部屋ごとに収納のポイントが異なります。生活動線や使い勝手を考慮したアイデアを紹介します。
部屋によって置いている物の種類や使用頻度が違うため、家具選びや収納の仕方を工夫することで快適度が大きく変わります。リビングなら目に触れるスペースが多い分、すっきり見せる工夫が大切です。一方でキッチンでは取り出しやすさが重要になるため、分類と収納グッズの使いこなし方が鍵となります。また、洗面や脱衣所、玄関などには限られたスペースを補うアイテムや配置の工夫が効果的です。
リビング収納――壁面収納やTVボードを有効活用
リビングは家族が集まる場所なので、見た目の印象が部屋全体の快適さに直結します。テレビ周りの壁面を活用し、オープン棚や扉付きの収納を設置すると、雑貨やDVDなどをすっきりとまとめられます。壁面収納やTVボードは、部屋を広く見せることにも役立ち、生活感を抑えるのに効果的です。また、ソファ周りにサイドテーブルやスツール型収納を組み合わせることで、リモコンや書籍を手軽に片づけるスペースも確保できます。
キッチン収納――パントリーや引き出しの使い方
キッチンでカギとなるのは、食品や調理器具をどれだけ煩わしくなく出し入れできるかです。パントリーがある場合は、ドライ食品や飲み物などを種類別にまとめ、取り出す回数の多い物を手前に配置すると効率が上がります。引き出しの中にはインナーケースや仕切りを使い、小物類や調味料をカテゴリーごとにまとめれば、調理中も迷わず必要なアイテムをスッと取り出せます。また、一目で何がどこにあるか把握しやすくなるよう、ラベリングの活用もおすすめです。
洗面・脱衣所の収納――タオルや日用品をスッキリ配置
洗面・脱衣所はスペースが限られている分、まとめ置きするアイテムが多いためゴチャつきやすい場所でもあります。カゴやボックスにタオルや洗剤類をひとまとめにし、仕切りを設置して用途別に分けると取り出しがスムーズです。見た目が整うだけでなく、清潔感を保てるのも大きなメリットです。洗濯機上のスペースに棚を取り付けたり、ドア裏を活用するなど、どこにデッドスペースがあるか探してみると意外な解決策が見つかります。
クローゼット収納――突っ張り棚や吊り下げ収納で増やす
クローゼットは高さ方向へ収納を拡張できるのがポイントです。上部に突っ張り棚を付けてシーズンオフの衣類やバッグ類をまとめれば、下段を有効に使えます。吊り下げ収納を導入すると、畳んで保管しないアイテムや小物を効率よく整理できるでしょう。ハンガーバーを追加するだけでも収納力が向上し、衣替え時の手間も軽減されます。
玄関・シューズクローゼット――ベンチ収納や傘の収納術
玄関スペースには目立たないようにベンチ収納を置くと、靴を脱ぎ履きする際の腰掛けとしてだけでなく、下部を収納スペースとして活用できます。シューズクローゼットがあっても、全ての靴や小物が入らない場合は、つり下げ型の棚や壁掛けラックを利用するのも良い方法です。傘や靴磨き道具など玄関で使う物は同じエリアにまとめておけば、外出や帰宅時の動線がスムーズになります。

本記事では、ご自宅にランドリールームを作るメリットや、使い勝手を考えたランドリールーム実例など、おしゃれで快適な空間作りのアイデアをご紹介します。
収納力をさらに高めるポイント

各部屋の収納を最適化したら、維持するためのコツを押さえましょう。小さな工夫の積み重ねが大きな差を生みます。
せっかく整えた収納も、しばらくすると物が溢れはじめ使いにくくなるケースが少なくありません。そこで重要になるのが、家族全員が意識して取り組む収納ルールの徹底や、使う物・使わない物を明確に区別する作業です。また、使用頻度に合わせて配置を決めることで、無駄にスペースを取らないよう管理することが可能になります。こうした基本を守りつつ、収納場所のゾーニングや定期的な断捨離を繰り返すことで、快適な空間を保ちやすくなるでしょう。
使用頻度別にゾーニングして管理
物を管理するうえで意識したいのが「よく使う物」「あまり使わない物」「季節限定の物」の3つのゾーン分けです。よく使う物は目線や腰の高さなど取り出しやすい位置に配置し、あまり使わない物は上段や奥のスペースにまとめておくと良いでしょう。季節限定の物や年に数回しか使わない物は、トランクルームやクローゼットの一番上など、普段の生活動線を邪魔しない場所に保管することで部屋を常にスッキリと保てます。
こまめな断捨離と収納ルールの徹底
物が増えやすいマンション暮らしでは、定期的な断捨離によるリセットが大切です。例えば、衣替えのタイミングで使っていない服を見直す、年末の大掃除前に雑貨を整理するといったように、機会を作って不要品を手放しましょう。また、収納ルールを家族全員と共有しておくと、物が戻る場所が曖昧にならず、すぐに散らかる事態を防ぐことができます。
家族全員で取り組む片づけ習慣
収納や片づけの負担を一人で抱え込まないためにも、家族みんなで協力して取り組む環境づくりが必要です。子どもでも使いやすい高さに収納を設ければ、自分の物は自分で片づける習慣が身に付きます。家族全員で定期的に片づけの目標を立てると、モチベーションを保ちやすく、きれいな空間を長く維持することが可能になるでしょう。

マンション収納を増やす具体的方法

さらに一歩踏み込んだ対策として、オーダー家具やリフォームといった大掛かりな方法も検討できます。
収納家具の導入やレイアウトの微調整だけではカバーしきれない場合、大きな改善策としてオーダー家具やリフォームが選択肢に挙がってきます。既存の壁を取り外して収納空間を拡張したり、壁面収納を最適化することで、使いやすさと収納力を同時に向上させることが可能です。加えて、季節物や大型の荷物が多い家庭であれば、外部のトランクルームを活用するのも部屋をすっきり維持する上で効果的な手段と言えます。
壁面収納・オーダー家具の導入
マンションでは既製品の家具が部屋に合わず、無駄な隙間が生まれることがあります。そこで壁面収納やオーダー家具を取り入れれば、部屋の寸法に合わせて無駄なく収納力を確保できるのが利点です。さらに仕上げやデザインを自由に選べるので、収納性だけでなくインテリアの統一感も高まります。
リフォームやリノベーションで収納力をアップ
根本的な解決を目指すなら、部屋そのものを変えるリフォームやリノベーションを検討するのも一手です。壁を取り払ってオープンスペースを広げたり、造作家具を組み込むことで収納スペースを大幅に増やすことができます。費用と時間はかかりますが、ライフスタイルに合わせて空間を作り変えられるため、長期的な満足度につながるでしょう。
トランクルームや外部収納サービスの活用
マンションの部屋に入りきらない大型の荷物やシーズンオフの用品などは、外部のトランクルームや倉庫サービスを利用すると空間を有効に使えます。スキー板やアウトドア用品、季節家電といった普段は使わない物を一時的に預けておけば、日常の生活スペースが広がるでしょう。必要なタイミングで取り出すだけなので、部屋の中に常に無駄な物を置かずに済むのが大きなメリットです。
よくある質問(FAQ)
マンション収納に関して多く寄せられる疑問へのヒントをまとめました。
マンション収納不足を解消するために知っておきたい疑問や、ちょっとしたコツを紹介します。同じ悩みを共有している方の参考になれば幸いです。
マンションのクローゼットが狭い場合の工夫は?
クローゼットが狭い場合は、空間を縦方向に広げるテクニックが効果的です。突っ張り棚や仕切りを取り付ければ上下で使い分けができ、収納エリアを増やせます。また、小物は引き出し式のボックスにまとめ、衣類は使用頻度別にハンガーを分けておくと探す手間も省けます。
ベランダ収納は可能?管理規約との兼ね合い
マンションのベランダは管理規約によって使用範囲が制限されていることが多いので、まずは管理組合や管理規約を確認しましょう。大きな収納を設置すると景観や防災面で問題が出る場合もあります。どうしても置きたい場合は、折りたたみ式の簡易収納を検討するなど、規約に抵触しない方法から検討を始めるのがおすすめです。
思い出の品が捨てられない場合の対処法
アルバムや子どもの工作など、思い出の品はなかなか整理が進まないものです。まずはデジタル化を検討し、写真や書類をスキャンして保管すると場所を取りません。どうしても残したい物だけを厳選して箱にまとめておけば、思い出を大切にしながら収納スペースを圧迫しにくくなります。
取り扱い説明書や書類の一元管理方法
取扱説明書などの書類はバラバラに管理すると、いざ必要になったときに見つかりにくくなります。カテゴリー別にファイルボックスやクリアファイルを用意し、書類の背表紙に何の書類か分かるよう名前を付けると整理しやすいです。スキャナーやアプリを活用すればデジタルで一元管理も可能なので、書類が増えがちな家庭におすすめの方法です。
まとめ・総括
マンションでの収納不足は、生活を圧迫する大きな悩みになりがちですが、基本的な対策や応用的な工夫を組み合わせることで大幅に改善できます。ライフスタイルの変化に合わせて定期的な見直しを行い、家族全員が心地よく生活できる空間を目指しましょう。
マンションは構造上、収納スペースが少ない傾向がありますが、工夫次第で十分な快適空間を作ることは可能です。まずは自分たちの持ち物を明確に洗い出し、物が増えすぎないようにコントロールする習慣を定着させることが大切です。さらに、部屋ごとに合った収納家具やデッドスペースの有効活用、場合によってはオーダー家具やリフォームの導入も視野に入れると、マンション収納のお悩みは大きく改善されるはずです。

このコラムを書いた人

arne interior WEB事業部
愛知県名古屋市の家具製造・販売メーカー、株式会社arneが運営するarne interior公式オンラインショップスタッフです。
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